幕末新撰組絵巻 沖田総司第一章「橋畔」一

第一章小説「橋畔」一
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新撰組活劇「幕末新撰組絵巻 沖田総司物語」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

幕末新撰組絵巻〜沖田総司物語〜第一章「橋畔」:240頁横文字版小説

 普段ならば大人の膝を隠す程しか水嵩のない小川が、
先刻まで降り続けた雨ため、濁流となって激しく唸りながら流れている。

 「うるさいっつ」平間重助が川に向って叫ぶ。

川の轟音は平間を支配する恐怖を一層掻立て苛立たせる。
捨てた女、糸里の罵声とも聞こえ、また、自分に襲い掛かろうとする獣の雄叫びにも聞こえた。

 「黙れっつ」
しかしその空しい叫びも川の流れは取り込み、激しく唸る。
音に負けじと必死に助かる道を思案する

  ・・・誰が追っ手か、部屋に踏み込んで来たのは、永倉新八と
  井上源三郎だった・・・夜眼は利く、間違いない。
  連中が来るか・・・いや、旨くすれば奴らは東に向ったかもしれん。

  だが、手分けするとなれば、一人は追ってくるかもしれん
  だが一人なら殺れる
  いや、例え二人掛かりで打ってきたとて、必ず返り討ちにしてやるぞっ・・・

平間は左手にしかと大刀を握りしめ、ひたすら走り続けた。

そして前方に橋が見えて来た。

 「あれを渡ればっつ」人家に、寺に逃げ込める。
暫く身を潜め、隙をみて船で一気に上方へ、大坂に・・・
いや、だめだ。大坂にも新撰組の息の掛った連中がいる・・・

「とにかく橋を渡らねばっつ」
 

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