新撰組活劇 沖田総司絵巻 第一章「泥濘」四

第一章「泥濘」四
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新撰組活劇「幕末新撰組絵巻 沖田総司物語」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

幕末新撰組絵巻〜沖田総司物語〜第一章「泥濘」:239頁横文字版小説


・・・かぞえようっ、百数えなければ・・
    ・・・こんな処で死にたくなどない・・・

 「ひ・・・ひっ」

糸里は、震えのため声がでなかった。

数えたいのに、数えなければ殺されるのにっ
恐怖と焦りが声を詰まらせる。
男の顔が糸里の耳元に近づく気配がした。

  ・・・・・殺されるっ・・・・・
  鼓動が一層激しくなったその時、


 「ひい・・ふう・・みい・・・よ、いつ・・・」

復唱を促すように男が数え始める。しかしその声は先ほどまでの有無を言わせぬ
声色ではなかった。
まるで幼子に聞かせてやるために、わらべ歌を唄っているかのように
優しい声であった。

そのなだめるような声に釣られるように糸里の声が連なる。

 「ひぃ・・・ふぅ・・みぃ・・・よぉ・・」


そして、男の気配が消えた。

 

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