おそらく井上たちが追って走り抜けたであろう東へ続く道ではなく、 沖田総司の眼は、壬生菜の畑を通るように伸びる西の道を・・・
暗闇に続く道を見据えていた。
その姿はあたかも 狼が獲物の匂いを嗅ぎ取った姿であった。
少しずつ歩を進める、西に向い・・・一歩、二歩と
そして先刻、土方より渡された手拭を懐より取り出し、 首に掛け、巻き付ける、
一重(ひとえ)・・・ そして・・二重(ふたえ)・・・と、
それに合わせるかのように歩も早くなる・・・
首に巻き付けた手拭を鼻先まで押し上げる・・・
そして、疾風の如く、 狼は獲物に向って走り始めた。
西に続く闇に向って・・・
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