第一章「壬生ノ狼〜沖田総司」三

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新撰組活劇「幕末新撰組絵巻 沖田総司物語」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

幕末新撰組絵巻 沖田総司物語第一章「壬生ノ狼 沖田総司」:230頁横文字版小説

 
 「いいかっ、決して逃がすな、
   必ず仕留めろっつ」

土方歳三のその命令を待っていたかのように総司は踵を返す。

そして駆け出そうとした時、土方が自分の懐から何かを出し、
沖田総司に投げつけた。

パシッ

総司は反射的にそれを受け取る。
それは、五尺程も有ろうかという黒い手拭だった。

土方は、振り向きもせずに、
ただ自ら手にかけた梅の躯を見つめながら呟いた。


「平間の女は斬るに及ばぬ・・・
 我々に、新撰組に深く関わってしまった・・・このお梅とは違う
 顔を見られなければ、捨て置け・・・」


総司は微かに口元をほころばせ手拭を懐に忍ばせた。


「承知っつ」

返答を残し、
沖田総司の姿が、部屋から消えた。
 

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