土方の中で総司は十二分に役目を果たしてくれていた。
そして芹沢鴨との死闘の末、総司が疲れきっていることも・・・ 目の前にいる男の顔色を見れば分かる。 ここに横たわる者たちと大差ないほどに血の気が失せていた。
だがそんな痛々しく注がれる土方の視線を逸らすかのように 沖田総司は、ふっと目を伏せた。
「土方さん、我々に『もういい』はないでしょう。 我々はもう止まることは許されない。 何処までも行くしか、突き進むしか道はない。 そうでしょ、歳さん。」
土方歳三の気遣いは十二分に承知していた。 だが、まだ幕は下ろされていないのである。
土方もまた沖田総司という男がここで引くとは思ってはいなかった。 そして予想通りの返答に己もまた、用意されていた命令を返した。
「ならば、お前は平間重助を追ってくれ。 ここは、俺一人で事足りる。」
そう命ずる土方歳三の表情に先ほどまで漂っていた。 試衛館以来の仲間・・・兄弟弟子として情は消えていた。 近藤勇という大将を筆頭とした一大組織「新撰組」のために すべての闇を被る決意の炎だけが その眼に映っていた。
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