沖田総司は、梅を抱きかかえ平山五郎、そして芹沢鴨の躯がある部屋に運んだ。 そして芹沢の傍らにそっと寄り添わせながら呟いた。
「逃げたのは、平間さんですか・・・」 刀を拭う事もせず、鞘に納める様子もない土方に問うた。
「女を連れて逃げられた、井上さんたちが追っている。」 土方は、芹沢の傍らに寄り添うお梅を見つめながら答えた。
なぜ、土方歳三が刀を拭わぬのか・・・納めないのか・・・
沖田総司は、すべて承知していた。
この部屋で、まだやらねばならぬことが彼には残されていたからである。
ここに眠る三名は、深夜屯所内に潜入した輩に ・・賊に斬殺されたのであるから・・・
この暗殺劇に最後の手を土方歳三は加えねばならぬのだ。 それは、この劇に加わった者たちが皆承知していた ・・・原田左之助も、そして沖田総司も。
カチンッ 沖田が鯉口を切る。 土方歳三がやらねばならぬことを沖田もまた請け負うとした。
「おまえは・・・いい。 おまえは、もう今夜はさがれ。」
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