原田左之助は、内心安堵した・・・この部屋より出る事ができることを・・・ これよりこの部屋で土方が成さねばならぬことに・・・ 立ち会わずにすむことに・・・
原田は、詫びるかの如く深く土方に一礼し、踵を返し部屋を出た。 そして、部屋には土方歳三と立つ事すらできずに怯えきった 梅が取り残された。
梅は混乱しながらも必死に考えた ・・・この男たちが、平間らを狙っていることは間違いない・・・ それだけはわかる・・・そして自分は・・・どうなるのだ・・・
「うっ、うちは何も知らしまへん・・うち、 なんも見て・・・・」梅は、震える声で必死に哀願した。
土方は、微笑みながら梅を宥めた。
「俺は、貴方に危害を加えるつもりはない。 ただ、このままこの場を去ってくれれば・・・何もしませんよ」
土方のその言葉を信じきることはできずとも梅は、必死に頷いた。
そして梅は思い出していた・・・ 沖田総司の言葉を・・・
・・・「この壬生より去れ」・・・と言われたことを。
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