第一章「帰路〜沖田総司」二

「帰路」二
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新撰組活劇「幕末新撰組絵巻 沖田総司物語」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

幕末新撰組絵巻〜沖田総司物語〜第一章「帰路」:197頁横文字版小説

  「原田、屯所まで運ぶぞ」土方が原田に指示する。


 「私が・・・私が連れて帰ります。・・・ここまで、連れて来たのも私ですから
  ・・・私が、芹沢局長を屯所に連れて帰りますよ」


土方は、総司のその申し出にも無言で許可した。

 「これを着ろ、そのなりでは・・・な」 そう言って、
自分の羽織を総司の血まみれの着物の上からはおるように促した。

土方と原田が手を貸し、総司は芹沢を背負った。


 「原田、先にいけ、一人も逃がすな」
土方歳三の言葉に原田左之助は、踵を返し、屯所に向かって走った。


 「土方さんも行ってください・・・すぐに、私も追いつきます。」
総司は、肩を少し持ち上げるようにして芹沢をおぶり直した。


月を覆い隠した雲は、湿り気を帯びた風を送り込む。
その風は、生を失った芹沢の体から少しずつ熱を奪う・・・・
 

だが、沖田総司の懐に忍ばせた独楽は・・・温かかった・・・・

あたかも芹沢鴨の体温が独楽に移っていくかの如く。
 

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