芹沢鴨は、右にかわしたはずの自らの喉仏に異物を感じた。
一瞬仰け反ろうとした時、つぎに鳩尾に痛みが走った。
血を噴き出しながら芹沢は崩れ落ちた。
「・・・今の・・突き・・は・・・・・・」 原田左之助が呆然としながら土方に声をかける。
土方歳三もまた眼を見開いたまま・・・立ちすくんでいた。
「三本で突いたんだ・・・あいつ・・・ ・・・ 一本目を誘いとし、 目に見えぬほどの速さで二本目を繰出し、芹沢の喉を突いた・・・ そして再び突きを繰出し鳩尾を突いた・・・
・・・ 一拍の間で・・・だ」
そう、沖田総司の突きは、三本繰出されていた。
三本目の突きは、刃を水平に寝かせることによって肋骨に阻まれることなく 難なく芹沢鴨の急所を貫いたのだ。 |