「だが、いま俺達がでれば沖田の速さが鈍る、 芹澤の太刀筋は重い、まともに受ければ叩き割られる。 その重い剣をあれだけかわせるのは沖田の速さの技だ。 おれたちがいけば沖田にとって避けなければならないものができる。 障害ができる。 そして・・・速さが鈍ったところを芹澤は確実に捕らえるだろう」
土方歳三の言葉に原田左之助は頷いた。 「だが、土方さん、もし沖田が・・・」
カチッ
原田の問いかけに答えるかのように土方が鯉口を切る。
「芹澤鴨は必ず斬らねばならない。 新撰組のために、我々が作り上げる新撰組の将来のために たとえ誰かを犠牲にしてでもだ」
それが我々がこの京都でなすべきことなのだ。 一本の大きな幹を持つ強い新撰組をつくりあげるために。 そう、沖田総司なら刺しちがえてでも芹澤を斬る・・・ いや・・・ たとえ、芹澤を道連れにできずとも急所は必ずつき、 あとを我らに託すはずである・・・そういう男だ。
だが・・・
「原田、いつでもでれる覚悟をしておけっ」
「おうっ」土方歳三の言葉に原田左之助は刀を抜いて応えた。 |