ガキッ・・・キーンッ
鋼と鋼が火花を散らしながら唸る。
沖田総司と芹沢鴨のいつ果てるともしれない剣戟はつづく
それに見入る二つの影 しかしそれは、今だ鉛の雲に覆われた月の光りから隠されている。
「強いなっ・・・やはり、芹澤は・・・・」原田左之助が息を殺すように呟く。
前方で繰り広げられている剣戟に土方歳三はまばたき一つせずに眼を見開き 見ている。しかし、その左手は刀の鍔をおしている。
「でるかっつ」原田も鍔に手をかける。
「いや・・・・まだだ・・・まだでれん」体は臨戦態勢を保ちながらも土方は原田を押しとどめる。
「しかし、分が芹澤にあるようにみえますよ、 沖田が押されている・・・このままじゃ・・・もしかして」
原田左之助の眼には沖田が芹沢の剛剣をかわすだけに追われているように 見えるのだ。 土方歳三にもそう見えていた。
沖田総司は左右に身を転じながら芹澤の剣を受け流している。
五分と五分・・・という戦いではない。 四分六で芹澤鴨の剣が勝っている。 |