「いや・・・だめだ。 みろ・・・芹澤の腕を いつでも刀を抜ける体勢でいやがる・・・
俺達が後ろから襲うと同時に瞬時に沖田の首を切り裂き、 俺達に向かってくる構えだ。 沖田も覚悟の上で芹沢をしょっているんだ」
確かに芹澤は右手を総司の首に回し、 左手で沖田総司の腰の刀の位置に自らの刀を重ねるように持っている あれならば瞬時に右手で刀を抜くことができた。
土方歳三の言葉に原田左之助が唸った。
「沖田に託すしか・・・ない。」
そう、ただ自分たちはこうして張りつめた二つの影に付き従うしかなかった。
さきほどまで顔にあたっていた雨粒も消えていた。
「重いか、沖田っ」芹澤の声が闇夜に響く。 |