第一章「祇園山緒」一

 「祇園山緒」一
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新撰組活劇「沖田総司絵巻 いつか何処かで」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

新撰組活劇 沖田総司絵巻 第一章「祇園山緒」:97頁横文字版小説

 土方歳三は沈黙をまもった。
大和屋事件のことすら芹澤を非難することもなく・・・
だが、芹澤一派の行動は、逐一土方の耳に入れられた。ほんの些細なことすら報告させた。
蜘蛛が獲物を捕らえるための糸を音もなく編み巡らせるように静かに獲物がかかるのを待った。

すでに会津公より命令は下っている。近藤勇の腹も決まった。
あとは・・・獲物がかかるのをまつだけである。

ヤツは必ず尻尾を出すはずだ・・・芹澤の大和屋焼き討ちで己の立場が微妙に揺らいでいること
その五日後に起こった会津の長州勢一掃による尊皇攘夷連中の追討強化・・・
必ず仲間と連絡をとる・・・必ず。

そして土方が待ちに待った知らせを持ち、市中に潜伏していた諸士取調役兼観察方、山崎烝がもどって来た。
そしてこの上なく特上の知らせを土方に耳打ちした・・・

・・・・土方の眼が妖しく光った・・・・



 「芹澤も無茶をしてくれたものだっ、この大事な時に」
新見錦は舌打ちしながら客人がくるのを待った。

・・・こうなれば、一気にことを進めるしかない。
そのためにこうして危険をおかして同胞たちに連絡をとったのだ。

新見は廊下を通る足音に耳をすませながら待った。

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