「久方ぶりに京に来てみれば、なかなか面白いものが観れたな」
二人の男は、芝居でも観ていたかのような口振りだった。
「もし、芹澤が止めなければ、あの男はやつを斬っていたと思うか」 面白そうにふくみ笑いを浮かべながら男は連れの者に尋ねた。
「ああ、間違いなく斬っていたでしょうね・・・そんな眼をしていた。 人斬りの眼を」問われた男は、前を見据えたまま答えた。
「三日前、あの男に我々の大切な同志が斬られましたよ」
「・・・ああ、腕の立つ者だったのに・・・」 男は残念そうにため息混じりに頷いた。
「人を斬ったその手で、子供を命がけで助ける・・・か おもしろい男もいるもんだ・・・一度、じっくりと話してみたいものだな 一体、どちらが本当のやつの姿なの・・・か」
「狂気ですよ・・・その二つを持つ人間など・・・ そんな相反す二つの心を持つ人間など本物の狂気そのものですよ」
「ふふ・・・かもしれないな」
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