第一章「志士」一

 「志士」一
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新撰組活劇「沖田総司絵巻 いつか何処かで」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

新撰組活劇 沖田総司絵巻 第一章「志士」:92頁横文字版小説


 「久方ぶりに京に来てみれば、なかなか面白いものが観れたな」

二人の男は、芝居でも観ていたかのような口振りだった。


 「もし、芹澤が止めなければ、あの男はやつを斬っていたと思うか」
面白そうにふくみ笑いを浮かべながら男は連れの者に尋ねた。


 「ああ、間違いなく斬っていたでしょうね・・・そんな眼をしていた。
  人斬りの眼を」問われた男は、前を見据えたまま答えた。


 「三日前、あの男に我々の大切な同志が斬られましたよ」


 「・・・ああ、腕の立つ者だったのに・・・」
男は残念そうにため息混じりに頷いた。

 「人を斬ったその手で、子供を命がけで助ける・・・か
  おもしろい男もいるもんだ・・・一度、じっくりと話してみたいものだな
  一体、どちらが本当のやつの姿なの・・・か」


 「狂気ですよ・・・その二つを持つ人間など・・・
  そんな相反す二つの心を持つ人間など本物の狂気そのものですよ」


 「ふふ・・・かもしれないな」
 

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