その姿を見ていた沖田総司は、震える勝太郎の頭をやさしく ポンポン・・と叩いてやった。
「いいですよ、これは暫く、しょう坊に預けます。」
その言葉に勝太郎はおもいっきり笑顔を見せた。 そして総司はゆきにささやいた。
「この子が落ち着いたら、申し訳ありませんが処分しておいてください。」
いくらもう使い物にならない隊服とて子供に持たしておくわけにはいかない。 ゆきに燃してもらおうと思ったのである。
ゆきは、こくんと頷いた。
「では、これで」総司は、そう言い残してその場をあとにした。
ゆきと勝太郎はその姿を見送った。
だが、ことの顛末を 一部始終、 おもしろそうに見ている二人の男たちがいた。
一人は、遙か先を見通すかのような鋭い眼をした男・・・
もう 一人は、ぎらぎらとたぎる眼をした男・・・ |