しゃべることすら苦しい・・・
だが、自分が無言になれば、子供はますます恐怖に怯える。 気を少しでも逸らしてやらねばならない・・・
「しょう坊は、どうして大和屋さんの蔵の長持ちなんかに入っていたんだ。」 総司はできるだけ優しく穏やかに勝太郎に話しかけた。
「ヒッ・・ 大和屋のぼんが、風邪ひきはって・・・・・・ それで・・・・・退屈してはるゆ〜て、ゆき先生とお見舞いきたん・・」
・・・ゆき先生・・・ ・・・ああ、あの気の強い娘さんか・・・・総司は先ほどの娘の顔を浮かべた。
「ぼんが外では遊べんさかい、蔵の中でかくれんぼしよ〜ゆ〜て・・・」
「そうか、それで長持ちの中にかくれたのか・・・」 それがこの子の命を救ったのだ。
「・・・いっつもすぐにみつかってしもぉて 鬼になるさかい・・・ヒッ・・ヒック そやさかい・・・あん中やったらみつからんおもうて・・・ 隠れたんや・・・」勝太郎は、ちょっと自慢げにニコッと笑った。
「そうか・・・・・」 総司は、幼い頃の自分と勝太郎を重ねた。
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