総司は、蓋をあけ覗き観た。
いた・・・生きているっつ
この凄まじい煙と熱さの中、長持ちの中にいたことによって 幼い子供は生きていた。
「さあ、おいでっ、外にでるよ」
勝太郎は、初めてみるその男に必死にしがみついた。 総司は、勝太郎の体を脱いだダンダラの羽織で包んでやった。 そして自分の体で覆うように抱え込み出口に向かって一気に走った。
あれほどずぶ濡れにしたはずの羽織も殆ど乾き始めている。
「あついよぉ〜〜〜っ」
総司の胸の中で勝太郎は泣きじゃくった。
「勝太郎は男だろ、がんばれ」
無理もないこんな幼い子供がこの灼熱の火の中、生きていたことだけが奇跡である。
「いいか・・・なるべく小さく息をするんだ」
すでに自分は喉も胸も熱にやられたように痛む・・・ 子供に堪えられるはずはなかった。
なるべく濡れた羽織で防御してやらねばならない。
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