第一章「大和屋焼討ち」五

 「大和家焼討ち」五
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新撰組活劇「沖田総司絵巻 いつか何処かで」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

新撰組活劇 沖田総司絵巻 「大和屋焼討ち」:77頁横文字版小説

 「勝太郎っ」
 「しょうぼうっつ」

燃えさかる蔵の中はまさに灼熱・・・窯の中のような熱さである。
子供の名前を叫ぶたび、呼吸とともに熱せられた煙が喉に、そして肺の中に容赦なく飛び込んでくる。

それでも、沖田総司は子供の名前を叫び続けた。

 「勝ぼうっつ」

さすがに豪商大和屋の蔵である・・・まだ崩れずにいてくれている。
だが、この火の勢いでは・・・そう長くはもつまい・・・

   ・・・どこだっ・・・どこにいるっつ

爆ぜる音の中、必死に両耳に神経を集中させた。

 「勝太郎っつ」

その時、総司の耳が微かだが子供の泣き声を捕らえた。

 「あついよぉ〜・・・」
 「おかぁ〜ちゃん、たすけてぇ〜・・・」

いるっつ
どこだっつ

総司は必死に辺りを見回した。
片隅にある長持ちからだっ
あの中から聞こえてくる。

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