芹澤鴨は何も言わずに、ただ・・・砕き割られた徳利を見入っていた。
そして・・・一瞬、ふっ・・・・と安堵ともいえる表情を浮かべた。
「もういい、おい平山、帰るぞっ」 足元がおぼつかなくなっている芹澤は平山の肩を借りながらその場を立ち去った。
沖田総司は去りゆく芹澤鴨の背を悲しげに見つめた。
・・・待っていたのかもしれない・・・ 誰かが自分の暴走を止めてくれるのを もう自分では止めることができない・・・ ・・・その生き様を・・・ ・・・芹沢局長、遅れて申し訳ございません
総司は心の中で去り行く芹澤に詫びた。
「どうしてこんなことをするのっ」
女の声に総司は振り返った。 女は総司を睨みつけた。
「申し訳ありません。」総司は深々と頭を下げた。
彼女はわかっていた・・・彼は止めてくれたのだと。
だがこの怒りは、新撰組がやったことへの怒りは・・・ 総司の着ている新撰組の隊服である浅葱色の羽織に向けられていた。
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