くっくっく
梅は思わず笑ってしまった。 そして・・・呟いた。
・・・おかあはん、うち溺れてしもうた・・・
だが梅は唇を噛みしめて亡き母親に訴えた。
「うちは、ぜったいにおかあはんみたいにはならんえ。」
自分には利用できる男がいる芹澤鴨という自分の思い通りになる男が・・・ 梅は、以前にもまして芹沢に物をねだるようになった。 ほしい物はなんでも買わせた。 芹澤はその支払いをすべて『つけ』という名ばかりの脅し取りですませていた。 隊からはすでに芹澤からの金子の要求は制限されていた。
副長土方歳三が手を打っていたのだ。 芹澤の吠えるような要求も土方には通じなかった。
そしてその要求は隊の外へと向けられたのである。 だが、商人たちも次第に芹澤の要求を拒絶しはじめた。
お梅は、日々物欲がましている。 だがそれに応える手段がすでになくなりつつある。
芹澤の酒量は増えた。
・・・すべては、土方の算段どおりに・・・ |