・・・だからといって、そんな言葉で納得できない ・・・やはり自分のために犠牲になった人間がいることに・・・
土方歳三は、沖田総司を見据えて言った。
「血は人を狂わせる・・・とくに女は血の匂いに敏感だ。 あの女もこの新撰組に関わらなかったらあそこまで、狂わなかった ・・・かもな」
総司は土方の言葉に合点がいった
・・・ああ、そういうことか・・・ 新撰組という組織に漂う血の匂いに梅は狂ったのか・・・ そして、その中で一番に血の匂いの染み込んだ・・・自分に・・・
「ふふ・・・」総司はおかしくなって笑った。
「総司」土方の怪訝そうな顔が向けられた。
「土方さん、女が血に狂うのなら・・・ 私から漂ってくる血の匂いに狂うのなら・・・私は、恋なんかしませんよ 好きになった女が狂っていく様は・・・みたくないですからね」
総司は、刀を帯に差しながら、悲し気に笑った。
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