第一章「憤り」一

「憤り」一
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新撰組活劇「沖田総司絵巻 いつか何処かで」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

新撰組活劇 沖田総司絵巻 「憤り」:55頁横文字版小説


 「おおきに」
梅は沖田が自分を庇ってくれたのだと思い、嬉しさのあまり抱きついた。

 「増田さんが・・・切腹しました。」総司の探るような言葉が梅に向けられた。

梅は、ビクッと肩を振るわせた。

 「な・・なにゆうてはりますの・・・増田さん・・・って」

    ・・・まさか・・・あの男が切腹・・・するなんて・・・

 「う、うちはしりまへん・・・なんで、うちが・・・」
梅は、沖田総司の心を見透かすような眼にたじろいだ。


 「最後の警告です。今すぐこの壬生の屯所を、新撰組を出なさい。」
そう言い放って総司は立ち去ろうとした。

自分を眼の端にも映さない、その容赦ない言葉に梅は砂利を握り絞めた。
そして言ってはならない言葉を口にした。

 「あんひと・・・増田はん、沖田はんに少し似てましたわ」

悔しさ紛れに放たれたその一言が、
わずかに総司の中に残っていた梅への哀れみの情を消し去った。

沖田総司の足が止まった。

 「やはり、そうだったんですね・・・あなたは・・・」
 

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