それに必死になっている、近藤、土方とはうらはらに、 総司といえば、そんなことどこふく風といったように、居を借りている 八木邸の子供たちと無邪気に遊びまわっている。
「ここは、この壬生村は、日野に似てますよね・・・ さっきまでね、八木さんとこの子供達とかくれんぼしてたんですよ ふふ・・だからかな・・・子供の頃のあんな夢をみたのは」
懐かしそうに空を見上げた。
「おまえなぁ・・・我らが壬生浪士隊をこれから先、どうやって・・・」 土方がたたみかけようとすると 総司はその言葉をさえぎって土方の眼を見据えていった。
「私は、近藤先生と土方さんについていくだけですから。」本心だった。
・・・自分の意志はそこにしかない・・・ それは、この京へのぼると試衛館一門で決めたとき、 沖田総司が己自身に誓った決意だった。
「本当に俺達について来てくれるのか・・・ その道がたとえ・・・修羅の道でも」今度は土方が総司の眼を見据えて尋ねた。
「どこまでも」総司は笑って答えた。
そして、ふたたび空を見上げた。
しかし、その目には、昔を懐かしむものはなかった。 |