増田五郎、永倉新八の隊に配属されてまだ二月しかたっていなかったが、 その真面目さと素直さを永倉は非常に気に入っていた。
永倉新八自身、まわりからみると生真面目一本やりの男なのである。 おそらく相通じるものがあったのであろう。
隊務がないときなど永倉は、よく五郎を呑みに連れていくのである。
「よしっ、五郎このあと一杯いくぞっ」
「はいっ、おともしますっ」そういって増田も喜んでついてくる。
そんな増田の様子がこのところおかしい・・・浮ついている。 何やらボ〜ッしていることが多くなった。
「五郎どうした・・・さては夢中になる女でもできたか」 永倉が『かま』をかけてみた。
「あっ、いえ・・・そんな・・・」増田は必死に汗を拭い、目を伏せた。
図星のようである。
「五郎、女はいいもんだ・・・俺たち男にとっては、必要だからな だが、ま、へんな女にはひっかかるなよ」
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