若さ、熱気、そして男としての本能・・・ そんなものが溢れかえっている 新撰組の屯所の中でお梅は隊士たちの心かき乱す存在だった。
自分への隊士達のなめるような視線・・・心地よいものである。 芹澤鴨の酒浸りの樽のような体には、満足しきれていない梅にとって 若さ溢れる肉体をもつ隊士たちは、ある意味魅力的 だった。
自分は何と言ってもこの新撰組の筆頭局長、芹澤鴨の女である。 その芹澤もすでに自分に溺れきっている・・・
言うがままの操り人形・・・傀儡となっている。
・・・うちに夢中にならん男なんて、この新撰組にはおらん・・・
そんな奢りがお梅の中にはあった。 獲物を狙う牝の眼をしながら梅は、隊士たちを物色した。 というよりもすでに目をつけている若い隊士がいた。
「あんひと・・・ええなぁ・・・うちの好みの男前はんやし・・・」 お梅は、近所の子供達と無邪気に遊ぶ沖田総司を妖しく見つめていた。
「うちもお仲間にいれとくれやす」お梅が総司の傍らに来ていた。
子供達は、敏感なものである。 圧倒するような色香をふりまく梅に少し怯えていた。
「いいですよ」普段と変わらぬ笑顔で総司が答えた。
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