「土方さんからみたら私は、甘ちゃんなんだろうな・・・」 しかたないな・・・そんな笑いをうかべた。
「山南さんは、やさしいから・・・」 総司もヒグラシの鳴き声に耳をやりながら呟いた。
土方歳三が勢いよく燃え上がる炎ならば、 山南敬介は人が手をかざしたくなるようなほっこりとした火だ。 そう沖田総司は感じていた。 だから山南のまわりには、なぜか人が集まってくる。
山南敬介とは、そんな男である。 土方はわざと人を寄せつけまいとするところがある。 正反対の二人といえば正反対なのであろう・・・ だが、二人とも火だ。 勢いよく燃えようがじっくり穏やかに燃えようが 火は火である。
「似てるな・・・」総司が山南の顔をみながら呟いた。
「ん?何かいったか?総司。」
聞き直そうとする山南に顔をほころばせ総司が笑った。 「二人とも好きだっていったんですよ 山南さんも、土方さんも、私は大好きですよ」
「はっはっは、総司は皆んな好きだからな。」 二人して笑いあった。
「でも、土方さんも山南さんが大好きですよ」 総司のその言葉に山南は少し肩をすぼめてみせた。 |