第一章「蜩〜ひぐらし〜」三

「蜩〜ひぐらし」三
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新撰組活劇「沖田総司絵巻 いつか何処かで」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

新撰組活劇 沖田総司絵巻 「蜩〜ヒグラシ」:26頁横文字版小説

 「土方さんからみたら私は、甘ちゃんなんだろうな・・・」
しかたないな・・・そんな笑いをうかべた。

 「山南さんは、やさしいから・・・」
総司もヒグラシの鳴き声に耳をやりながら呟いた。

土方歳三が勢いよく燃え上がる炎ならば、
山南敬介は人が手をかざしたくなるようなほっこりとした火だ。
そう沖田総司は感じていた。
だから山南のまわりには、なぜか人が集まってくる。

山南敬介とは、そんな男である。
土方はわざと人を寄せつけまいとするところがある。
正反対の二人といえば正反対なのであろう・・・
だが、二人とも火だ。
勢いよく燃えようがじっくり穏やかに燃えようが
火は火である。

 「似てるな・・・」総司が山南の顔をみながら呟いた。

 「ん?何かいったか?総司。」

聞き直そうとする山南に顔をほころばせ総司が笑った。
 「二人とも好きだっていったんですよ
  山南さんも、土方さんも、私は大好きですよ」

 「はっはっは、総司は皆んな好きだからな。」
二人して笑いあった。

 「でも、土方さんも山南さんが大好きですよ」
総司のその言葉に山南は少し肩をすぼめてみせた。

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