第一章「密命」一

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新撰組活劇「沖田総司絵巻 いつか何処かで」の小説は縦書きをメインとしていますが、横書き版小説も下段に掲載しています

新撰組活劇 沖田総司絵巻 第一章「密命」:137頁横文字版小説


 仄暗い部屋を 一本の蝋燭がゆらゆらと影を映す。

しとしと降る雨の音が男たちの呼吸する音をかき消す。
八木家の一室に数人の男達が息を殺し 一人の男の命令が下るのを待っている。

 「会津公は、こう言われた・・・
  二股の大木は無用、一本の幹となれ。とのお言葉である。」

近藤勇は、土方歳三、沖田総司、井上源三郎、永倉新八、原田左之助に
会津より下された言葉を伝えた。

そして続けた。

 「我々は、根元から切り倒される前に我々の手で、
  分かれた幹を切り落とさねばならないっ」

そう言い放つ近藤の眼に寸分の迷いもなかった。
居並ぶ新撰組の強者たちの眼にもそれはなかった。

そして沖田総司の眼にもなかった。

一人 一人の眼を見、確信するかのように頷き、近藤勇は改めて全員を見据えた。

 「いいか、けっして失敗は許されぬ。
  そして何人にも気取られるなっ
   だからこそ、この人選とした
  顔を見られればその者も斬れ
  たとえそれが女子供であってもだ
  斬りたくないなら、決して見られるなっつ」
 

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