「はは、なんか私って子供になつかれやすいんですよね。」
「はっ、あんなでかいなりして酒浸りのガキがいるかっ」 あれがか・・・と、土方が呆れ顔で芹澤を見ている。
「あそこにいますよ。寂しがり屋で我が儘な大きな子供が」 沖田総司にしてみれば、芹沢鴨という男は、外見とは裏腹に傷つきやすく寂しがり屋の子供がそのまま大人になったような人間に思えるのだった。 おそらく芹澤自身もそれをわかっているのだろう・・・
・・だからこそあの人は、酒に逃げるんだろうな・・・
そう思うと芹澤鴨を土方のように邪険にする気にはなれなかった。 とはいえ、こう毎日のように祇園につきあわされるのも・・・ 総司は、酒が弱いというわけではなかったが、本来あまり好きなほうではなく、 どちらかといえば汁粉や大福に目がないほうであった。
しかし・・ま、しかたないか・・・
芹澤が無茶をして店に迷惑をかけ、『新撰組』の名を貶めないようお目付役として つきあうように土方から言われてもいる。
「カモのやろう、おまえの言うことならききやがるからな」
たしかに、芹沢は総司がさとせばおとなしくなったりするのである。
だが今宵の酒は行き過ぎたようである、店で暴れはじめたのである。
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